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タイムリープDV被害者美幸】
権蔵「おらああぁぁぁぁぁぁああ!!!!!(ボコボコに殴る)」
美幸「きゃあああああああっっっ!!!!!貴方っ…やめて…っ…。(私は美幸。夫の権蔵からDVを受けている。)」
権蔵「うぐっっ!(美幸の首を絞める)おらああぁぁあぁ!!(殴る、蹴るを繰り返す)おりゃあぁぁっっ!!(殴る、蹴るを続ける)おらああぁぁあぁ!!(殴る、蹴るを続ける)おりゃあああぁぁあぁっっ!!」
美幸「いやっ…貴方…どうしてっ…(昔はこんな人じゃ無かったのに……)や、やめて……っ……貴方……どうしてっ……!」
権蔵「お前がグズだからだろおおお!!おらああぁぁあぁ!!(殴る、蹴るを繰り返す)おりゃあぁぁっっ!!(殴る、蹴るを続ける)」
そんな私と権蔵の間にはタケルと言う小学三年生になる子供がいる…。
タケル「お母さん……お父さんどうしたの?(美幸を心配そうに見る)大丈夫?(美幸の手を握る)ううぅ……。(涙を流すタケル)うわぁぁん!(泣き出すタケル)うぅ……ぐすっ……。ごめんなさい……ごめんなさいっ!ぐすっ……。うわああぁぁん!!(泣くタケル)」
美幸「た、タケル…大丈夫だから向こうに行ってなさい…。」
権蔵「なんだあ……その言い方は……。(殴る、蹴るを繰り返す)おりゃあぁぁっっ!!(殴る、蹴るを続ける)おらああぁぁあぁっっ!!(美幸を蹴り飛ばし踏みつける。)」
美幸「きゃあっ……!(床に倒れる)うぅ……ぐすっ……。(権蔵の暴力は日に日に激しくなっている…)あなた、やめて!やめてよ!」
このままではこの暴力により自分もタケルも壊されてしまう…。
そう思った美幸は決心した。タケルのため、そして自分を守るため……。DV夫権蔵から逃げ出すことを決めたのだ。
DV夫の暴力から逃げるため、私は行動を開始することを決意した……。まずは話し合いから始めることにした。どんな人間でも話し合えば分かり合えるはずだと思ったからだ……。
美幸「貴方、私離婚します。貴方とはもう一緒に居られません…。」
権蔵「なんだあ……お前、ふざけたこと言ってんじゃねえぞお……。(殴りまくる)おらああぁぁあぁ!!(殴る、蹴るを続ける)おらああぁぁあぁっっ!!(スコップで美幸の頭を殴る)おりゃあぁぁっっ!!」
美幸「きゃあっ……!(床に倒れる)うぅ……ぐすっ……。私、本気だからっ!貴方がどんな人でも私は貴方とタケルと一緒に居られると思ってた……。でも違ったみたい。今の貴方は私の知ってる貴方じゃない!!だから離婚します。そしてタケルと一緒に新しい生活を始めます……。(既にタケルは…実家に預けているから大丈夫…。この音声も録音済み。あとは権蔵から逃げるだけ…っ。)」
権蔵「ふざけるなああ!!(スコップで美幸の頭を殴る)おらああぁぁあぁっっ!!(殴る、蹴るを続ける)おりゃあぁぁっっ!!(スコップで美幸の首を刺す)おりゃああぁぁっっ!(突き刺す)おりゃあああっっっ!!(さらに突き刺す)」
美幸「がッ…はあぁ・・ッッッ!!!!(スコップで突き刺され辺りに鮮血が飛び散り、美幸は死んでしまった。)」
権蔵「あっ……やべえ、殺しちまった……。まあでもいいか!どうせお前なんか死んでも誰も悲しまねえんだしなあ!!(ゲラゲラ笑う権蔵)おらああぁぁあぁ!!(スコップで美幸の死体を滅多刺しにする)おらああぁぁあぁ!!」
だが、権蔵は頭が冷えて我に返るとスコップを捨てて美幸の死体を車に乗せて逃走した……。その後、権蔵がどうなったかは誰も知らない……。
それから9歳で祖父母の元に預けられたタケルは祖父母の愛情を受けて幸せに暮らしていた。
そして時は流れ……タケルは18歳になった。権蔵のことは祖父と祖母に聞かされたが、
祖父も祖母も決して権蔵を責めるようなことはしなかった。優しい祖父母の元でタケルは幸せな日々を送っていた……。
そんなある日、タケルはある悩みを抱えていた。それは初恋の相手、里菜子の事だった。
里菜子はタケルのクラスメイトで、記憶の中にある母の面影を感じていた。
里菜子もまたタケルに淡い恋心を抱いていたのだが、タケルはその気持ちに気づくことはなかった。
里菜子は勇気を出して告白しようとしたが、タイミング悪く別の男の子から告白されてしまう。その男の子は同級生で名前は優斗。サッカーが得意なイケメンだった……。
里菜子は断腸の思いでその男の告白を受けた……。
だが、優斗は里菜子に暴力を振るったり虐める様な事ばかりする様になった。
そして、とうとう里菜子に対してレイプしようとし…
優斗「里菜子オオオオオオオオオオ!!!!!!!!お前は俺のものなんだよおぉ!!(里菜子を殴り服を脱がそうとしチンポをぶち込もうとする)
おらああぁぁあぁ!!(殴る、蹴るを続ける)おらああぁぁあぁっっ!!(里菜子を激しく痛めつける。)オラアアッ!!(さらに強く殴ると、里菜子の悲鳴があがる)」
里菜子「きゃああぁぁ!!いやああぁぁっ!!(泣き叫ぶ)やめてえぇぇえっ!!優斗くん、お願い……許してえぇぇっ!!痛いいぃぃいっ!ぐすっ……。うわああぁぁん!!(号泣する里菜子)うぅ……ぐすっ……。ひぐっ……!もう無理ぃ……」
タケル「(優斗を突き飛ばす)やめろおぉぉおぉっ!!里菜子さんになんてことするんだぁっ!(優斗に殴る、蹴るを続ける。)オラアァッッ!(殴る、蹴るを繰り返す)ぐおおおぉぉっっ!!」
優斗「うっ……。(倒れる優斗)ぐふっ!痛ええぇ!な、何だてめえは……!邪魔すんじゃねえよおぉぉっッ!!(怒りに任せてタケルに蹴りを入れる)おらああぁぁあぁっっ!!(蹴る、殴るを繰り返す)うぐっっ……!や、やめろぉおっ!」
タケル「うるさい黙れええぇぇえっっ!!(蹴る、殴るを続ける)うおおぉぉっ!オラアァァッッ!(蹴り、殴り続ける。)ぐおおぉぉっっ!(優斗をボコボコに殴る)おらああぁぁあぁっっ!!(殴る、蹴るを繰り返す)」
優斗「ぐふぉっ!(倒れ込む優斗)く、くそがああぁ……!(立ち上がろうとするが、力が入らない。タケルはそんな優斗に馬乗りになって殴り続ける)」
タケル「おらあっっ!!どりゃああっっ!!うおおっっ!!(殴る蹴るを繰り返す。)おらあぁぁっっ!!」
タケルは、優斗を母に暴力を振るっていた父を重ね怒りで殴っていたが同時に優斗を殴る事により明らかな高揚感を感じていた。
そして騒ぎを聞きつけた教師達が現れ、優斗をボコボコにしているタケルを取り押さえようとする。しかしタケルは暴れて抵抗した……。
権蔵との虐待により強い怒りを感じる様になったタケルにはもう誰にも止めることはできなくなっていたのだった……。
1週間後……タケルは停学処分になった。そして里菜子はあの一件以来学校を休みがちになり、ついに不登校になってしまった……。
里菜子を犯そうとした優斗はタケルに暴力を振るわされた被害者でもあるのだが加害者でもあり、学校から退学処分されてしまった……。
タケルは停学処分となりそのまま高校を中退し家出してしまったのだった……。その後、タケルの消息を知る者は誰一人として居なかったという。
…その一部始終を見ていた美幸の魂は一人涙していた。
自分の息子が、自分が居なかったせいでこんな悲劇を辿るなんて…そう思っていたら一人の老人が現れる。
美幸「あ、貴方は…。」
神「わしは運命の神じゃよ。美幸さん、わしの力で運命をやり直してみないかね?生前の頃に戻り、タケルを救うのじゃ。」
美幸「タケルを救う……そんな事できるの?(半信半疑な様子で老人を見つめる)もし、やり直せるならやり直したいっ!あの子が暴力を振るわないように私がちゃんと育ててあげるわっ!!お願い……!私をもう一度生まれ変わらせて頂戴っ……お願いしますっ……(必死に懇願する美幸)ううぅ……うっ……」
神「解った。それでは行ってきなさい…。最初の頃に……。」
そして美幸はタイムリープして復活を遂げ、人生に週目に突入するのだった……。
権蔵「おらああぁぁぁぁぁぁああ!!!!!(ボコボコに殴る)」
美幸「きゃあああああああっっっ!!!!!貴方っ…やめて…っ…。(私は美幸。夫の権蔵からDVを受けている。)」
権蔵「うぐっっ!(美幸の首を絞める)おらああぁぁあぁ!!(殴る、蹴るを繰り返す)おりゃあぁぁっっ!!(殴る、蹴るを続ける)おらああぁぁあぁ!!(殴る、蹴るを続ける)おりゃあああぁぁあぁっっ!!」
美幸「いやっ……貴方……どうしてっ……(昔はこんな人じゃ無かったのに……)や、やめて……っ……貴方……どうしてっ……!(権蔵を睨みつける美幸。こいつが。こいつが私をこれから殺すんだ…。)ううぅ……ぐすっ……。(涙を流す美幸。)うぅ……ぐすっ……。ひぐっ……!もう無理ぃ……っ!死ぬぅぅっ!耐えられないわこんなのぉおぉっっ!!」
そして美幸は再びタケルと逃げるために、行動を開始する。
だが、今回は権蔵と話し合いはせず、タケルと共にこっそりと権蔵が寝ている間に出て行く事にした。
荷物は預金通帳から出した全額のお金と最低限の生活必需品。
美幸「さあ、タケル。一緒に新しいお家に行きましょうね。」
タケル「うん!ママ、これからどこに行くの?(美幸に抱きつくタケル)僕、新しいお家で楽しみなんだ〜。えへへっ♪早く行きたいなあ……!ワクワクするなぁ……(無邪気な笑顔で言うタケル)ねぇ、ママは何歳なの?僕は9歳になったんだよ〜!」
美幸「ふふ、ママはね…。」
そう言いつつ辿り着いた先はDVシェルター。既に美幸が手配していたシェルターだった。ここでタケルはDV被害から解放されるのだ……。
DVシェルターに入り、保護されたタケルは再び美幸と一緒に暮らすことになった。美幸はこの幸せを絶対に手放さないよう、『絶対にこの愛だけは守り抜く』と心に誓うのだった……。
それからDVシェルター内で美幸は裕子を探し出し、会うことができた。
DVシェルターはDV被害に悩む者達の駆け込み寺とも言える場所だった。ここで暮らす者は何かしらDV被害を受けており、お互いの傷を舐め合う場でもあった。
裕子は美幸を見て最初は警戒していたが、同じ境遇ということもあり打ち解けるのは早かった。
裕子には里菜子と言うタケルと同い年の娘が居り、タケルと里菜子ははすぐに仲良くなり、まるで本当の兄妹のようだった。
タケルは里菜子のことをとても可愛がっていたようだ。
タケル「里菜子ちゃん!一緒に遊ぼうよ!ほら、サッカーボールだよ!(タケルは里菜子にサッカーボールを渡す)ねえ、里菜子ちゃんも一緒にやろうよっ!楽しいよー♪(笑顔で誘うタケル)あっ……でも怪我するといけないからあんまり強く蹴っちゃダメだよ?(心配そうに言うタケル)」
里菜子「タケルくん!ありがとう!!私、嬉しいよーっ(満面の笑顔の里菜子)」
美幸「ふふ、本当に二人が仲良くて嬉しいわ…。裕子さん、貴方はこれからどうするの?」
裕子「分からないわ。これからゆっくり考えようと思うの……。ねぇ、美幸さん、しばらく一緒に助け合って暮らさない?アパートを借りて、四人で暮らすのよ。」
美幸「それはいいわねぇ……。タケル、貴方はどうかしら?(優しい表情で問いかける美幸)」
タケル「うん!僕はママとお姉ちゃんと一緒に居られるなら何処でも良いよっ!(無邪気な笑顔で答えるタケル)やったあ〜!じゃあこれからずっと一緒だねっ♪嬉しいなっ……!僕、楽しくなってきたよ〜☆えへへ……楽しみだなぁ……!(嬉しそうな表情のタケル)ねえ、里菜子ちゃんも一緒に住もうよ〜!」
里菜子「うん!私も一緒に住みたいです♪(満面の笑顔で答える里菜子)これからもずっと仲良くしようねっ、タケルくんっ!(嬉しそうな表情の里菜子)」
それからDVシェルターを出た四人は同じアパートで暮らし始めた。
美幸の仕事は自宅でできるWebデザイナーの仕事を始めた。タケル、里菜子は近くの小学校に通い始めた。
裕子の仕事は喫茶店のウェイトレスだった。美幸は自宅でできる仕事で良かったので、仕事のスケジュールも余裕があった。
DVシェルターで一緒だった4人は強い絆で結ばれ、幸せな時間を過ごしていた。そして……この生活を始めて一年が過ぎた頃、タケルと里菜子は中学生になった。
ある日四人で暮らしていた矢先…。
美幸「ねえ、裕子さん。そろそろ私達…別々で暮らさない?別に裕子さんと暮らすのが嫌になった訳じゃないの。でも、元々私達助け合うために暮らしていた訳だし…。これからはそれぞれの人生を歩んで行くべきだと思うの……。どうかしら?(美幸は寂しそうに言う)貴方はどうする?タケル。」
タケル「ママがそうしたいなら、僕もそれでいいよ!(無邪気な笑顔で言うタケル)裕子ママと里菜子ちゃんと一緒に暮らすの楽しかったけど……でも、仕方ないよね。…また何処かで会えるよね……?(寂しそうな表情で言うタケル)」
裕子「そうね。私もタケルと一緒に暮らすのは楽しかったわ……。(寂しそうに言う裕子)私達は四人で支え合って生きてきたもの。そうよね……分かったわ……。また何処かで会いましょうね、美幸さん、タケル!元気でね……!(悲しそうな表情で言う裕子)」
里菜子「そうだね……。私もタケルくんと美幸さんと離れるのは寂しいけど、仕方ないよね……!また何処かで会いましょうねっ!(無邪気な笑顔で言う里菜子)」
それから、美幸とタケルは裕子と里菜子と別れてマンションへ引っ越した。4人で住んでいたアパートに別れを告げるのは辛かったがタケルは美幸の決断を受け入れてくれたようだった。
1年後……タケルが高校を卒業し、専門学校へ通うために家を出ることになった時、美幸とタケルに一枚の封筒が届いた。里菜子からだった。
その手紙の内容はこうだ。
「お母さんが、狂いました。
美幸さんとタケルくんが居なくなってから、仕事も上手くいかなくなり、新しい彼氏が家に来る様になって暴力を振るう様になりました。
お母さんは可笑しくなって、私にも暴力を振るう様になりました。
そして、お母さんは「美幸のせいで」「美幸が出て行ったせいだ。」と言う様に変わっていきました。私はとても辛いです……。苦しいです……!
助けてください!!お願いします!(涙で滲んだ字で書かれた里菜子の悲痛な叫びが書かれていた)もう辛いのは嫌です。死にたいです(手紙はここで終わっている)」
この手紙を読んだ美幸は、居ても立っても居られない状況になった。
この事を一人暮らしが決まっていたタケルにも伝えたら一緒に行こうと言う事になり手紙の住所に書いていた二人で美幸が住むマンションへ向かう。
美幸「裕子さん!里菜子ちゃん、居る!?」
インターホンを押すと物凄く疲れた表情の裕子と里菜子が出てきた。二人とも少し老けてしまった様に見えたが、以前の面影は残っていた。そしてリビングへ通され椅子に座る二人……。
沈黙が続く中最初に口を開いたのは美幸だった。美幸は裕子に語りかけた……。
美幸「裕子さん、貴方は自分の子……里菜子ちゃんを愛していないの?(悲し気な表情で言う美幸)私は貴方の事を親友だと思ってるわ。
だから、本当の気持ちを教えて欲しいの。貴方が本当はどう思っているのか知りたいの。(真剣な表情で問う美幸)私が居るから、幸せになれないとでも思ったのかしら……?」
裕子「(ぶるぶると震え)何よ…それ…。私がどんな気持ちでここまでやってきたと思ってるの……?(怒りと悲しみが混じった表情で言う裕子)
旦那の暴力から里菜子と一緒に逃げて、一人で育てることにしたのよ?だから一生懸命我慢して……。必死に働きながらあの子を育ててきた……!
その結果がこれよ……。何が親友よ!ふざけるんじゃないわよっ!!ふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなああぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」
裕子は美幸に襲い掛かり、隠し持っていた包丁で刺そうとする……。だが、その瞬間タケルが裕子から包丁を奪い取り阻止する。タケルは怒りに満ちた表情でこう呟く……。
タケル「……裕子ママ…僕……貴方の事が嫌いだったよ。だってさ、俺達が暮らしてる時、裏で通話で母さんや里菜子ちゃんの悪口言ってたよね?
それでも僕が黙ってたのは母さんや里菜子ちゃんが悲しむと思ったから……でも、アンタは一線を越えた。僕はアンタを許さない。里菜子は僕と暮らすから。(里菜子の手を引く)」
里菜子「えっ…タケル…くん……。私はお母さんと離れたくないよ……!(不安な表情で言う里菜子)うぅ……ぐすっ……私っ……お母さんと離れたくないよぉ……(泣き崩れる里菜子)」
タケル「だけど、君は助けを求めた。裕子ママと一緒に居るのが辛かったんだろ?」
里菜子「それは……そうだけど……ぐすっ……私、お母さんの事が大好きなんだよっ……!(涙声で言う里菜子)うぅ……ううっ……お父さんがいなくなってから私達二人で生きてきたんだよ……?(泣き崩れる里菜子)ひっく……ひぐっ……」
裕子「(涙を流しながら)里菜子……ごめんなさい……。貴方を苦しめるつもりは無かったの……本当にごめんなさい……!(涙声で言う裕子)うぅ……ううっ……!!(泣き崩れる裕子)
これからは二人で力を合わせて一緒に暮らしましょう?ねっ……?(涙を流す裕子)私も貴方の事、大好きよ……!愛してるわ……!」
タケル「……母さん、僕は裕子ママを信じられない。母さんはどうするべきだと思う?」
美幸「そうね……。タケル、貴方はどう思うの?(真剣な表情で言う美幸)私は貴方の母親よ。だから貴方に判断する権利があると思うの……。お願い……!私に教えて頂戴……!貴方の意見が知りたいわ……。(真剣な眼差しで問う美幸)」
タケル「いや言ってるじゃん。僕は裕子ママを信じられないよ。だって里菜子ちゃんを殴って酷い事した人だよ?同情出来る部分はあるけど、
僕は裕子ママが母さんや里菜子ちゃんの悪口言ってたのも知ってるし、母さんに包丁向けて来た時点で本来は警察沙汰でしょ?
僕は裕子ママがしっかりしてくれるまで、里菜子ちゃんは僕か母さんと一緒に暮らす方向で良いと思うんだけど。」
美幸「うん、私もそうしようと思っていたの。だからそれで良いと思う。里菜子ちゃんはどうしたい?(真剣な表情で問う美幸)どうするべきか答えは出ていると思うわ……」
里菜子「私は…お母さんと一緒に居たいよ……!でも……タケルくんの意見も分かるから……。うぅっ……ぐすっ……どうしたらいいか、分かんないよっ……!!(泣きじゃくりながら言う里菜子)うわぁぁん……!!(号泣する里菜子)ううっ……!(涙声で泣く里菜子)」
タケル「里菜子ちゃん…何も永遠に裕子ママと離れる訳じゃないんだよ?裕子ママがまたちゃんとお母さんとして里菜子ちゃんと振舞える様になったら会えば良いんだ。それじゃ駄目かな?」
里菜子「うぅっ……でも……!(涙声で言う里菜子)私っ……ぐすっ……お母さんと暮らしたいよぉ……!一緒に居られないのは辛いよ……!寂しいよっ……!!うわぁぁん!!(号泣する里菜子)ううっ……!(泣き崩れる里菜子)ひっく……」
美幸「裕子さん、貴方はどうしたい?やっぱり里菜子ちゃんと一緒に暮らしたい?もう、里菜子ちゃんに暴力は振るわない?」
裕子「うん、この子と一緒に暮らしたい……!だから里菜子がまた私をお母さんとして見てくれるなら……一緒に居たい!(涙声で言う裕子)うぅっ……ぐすっ……私はもう暴力なんか振るわない!約束するよ!里菜子と一緒に居るわ……!」
美幸「……解った。裕子さん、私貴方を信じるわ。だから、今度こそ里菜子ちゃんを幸せにしてね!」
裕子「ええ…!ごめんなさい…そして有難う、美幸さん…!」
そして、美幸とタケルが帰宅したその翌日だった。
…裕子は里菜子を包丁で刺し殺した。理由は美幸とタケルが帰った後、だんだんとイライラして来てその八つ当たりに。里菜子を刺し殺した裕子は警察に逮捕された。
美幸とタケルが警察署へ駆けつけると、虚ろな表情の裕子が居た……。彼女の目には涙が浮かんでいた。
美幸「…どうして自分の娘を、里菜子ちゃんを殺したの?」
裕子「(泣きながら)里菜子にまで見捨てられたら、私はもう生きていけない!死ぬしかない!……こんな母親失格の私に生きる意味なんて無いわ!私の人生は終わったのよ!!(泣き叫ぶ裕子)あぁ……うぅっ……!(涙を流す裕子)うっ……ううっ……うわあああん……!!」
タケル「………母さん、俺言ったでしょ?里菜子ちゃんは僕達が保護した方が良いって。…まあ、最終的には僕も母さんに任せたから、責任はあるけどね…。この女は、悪魔だ。里菜子ちゃんを殺した悪魔だ。」
裕子「うぅっ……ううっ……うわぁぁん……!(号泣する裕子)ああぁぁ……!!(号泣する裕子)ぐすっ……もう、終わりよっ……!私の人生もこれでお終いよっ……!うわぁぁん!!(号泣する裕子)私なんか生きてたって仕方ないわ!早く殺しなさいよぉっ!!」
美幸「ちょ、ちょっと…!タケルもやめて!裕子さんもそんな事を言うのは…」
その時、タケルは懐からナイフを取り出し、裕子の胸を刺した。
タケル「はい、御希望通りに。(虚ろな目で裕子の胸をメッタ刺しにする。)」
美幸はしばらく何が起こったか解らず放心していたが、やがて警察達がやってきてタケルを拘束する。
タケルはその場で逮捕、裕子は即死した。
それからタケルは懲役12年の刑期を言い渡され、事件の事を思い出す度に悲しくなり泣いた事もあった。
だが、12年後、釈放されて31歳になったタケルと再会を果たす。
再会したタケルの姿はまるで別人の様になっていた。髪が白髪になり、とても痩せ細っていたからだ。タケルは美幸を見て開口一番こう言う……。
『貴方の名前を教えて欲しい』と。そこで初めて美幸はタケルが記憶喪失になっている事を知り涙した。
美幸「私の名前は美幸。貴方の母親よ。」
タケル「(虚ろな目で)……僕のお母さん?でも、貴方は僕を捨てたんじゃ無かったのか……?どうしてここに居るの……?もう僕は疲れたよ。貴方を母親と思えないし、名前も思い出せないんだ。ねぇ、お願いだから、僕を殺してくれないかな?」
美幸「(泣きながら)嫌よ……!貴方が辛い目に遭ったのは分かる。でも、生きて幸せになって欲しいのよ!だって貴方は私の大事な息子だもの……ぐすっ……お願いだから戻ってきて頂戴……!!タケルっ……ううっ……!(泣く美幸)うぅっ……!(涙声で言う美幸)」
どうやらタケルは何かの影響でかつて美幸が死んでしまった世界線の記憶を持っているらしい。
全てを悟った美幸はそれでもタケルに縋り懇願する。
しかしタケルは自分の希死念慮を叶える為、美幸を殺害。そしてその後に自分も自殺をした……。
そして再び美幸はあの世の白い世界に戻って来た。
神「ダメだったようじゃのう。どうする?またやり直すか?」
美幸「…勿論よ!何処で間違ったかはわからない!でも、また最初からやり直すわ!」
そして再び時間を巻き戻す美幸。
今度はそもそも最初からDVシェルターへ向かわない未来を目指した。
権蔵「おらああぁぁぁぁぁぁああ!!!!!(ボコボコに殴る)」
美幸「きゃあああああああっっっ!!!!!貴方っ…やめて…っ…。(私は美幸。夫の権蔵からDVを受けている。)」
権蔵「うぐっっ!(美幸の首を絞める)おらああぁぁあぁ!!(殴る、蹴るを繰り返す)おりゃあぁぁっっ!!(殴る、蹴るを続ける)おらああぁぁあぁ!!(殴る、蹴るを続ける)おりゃあああぁぁあぁっっ!!」
美幸「いやっ…貴方…どうしてっ…(昔はこんな人じゃ無かったのに……)や、やめて……っ……貴方……どうしてっ……!」
権蔵「お前がグズだからだろおおお!!おらああぁぁあぁ!!(殴る、蹴るを繰り返す)おりゃあぁぁっっ!!(殴る、蹴るを続ける)」
そんな私と権蔵の間にはタケルと言う小学三年生になる子供がいる…。
タケル「お母さん……お父さんどうしたの?(美幸を心配そうに見る)大丈夫?(美幸の手を握る)ううぅ……。(涙を流すタケル)うわぁぁん!(泣き出すタケル)うぅ……ぐすっ……。ごめんなさい……ごめんなさいっ!ぐすっ……。うわああぁぁん!!(泣くタケル)」
美幸「た、タケル…大丈夫だから向こうに行ってなさい…。」
権蔵「なんだあ……その言い方は……。(殴る、蹴るを繰り返す)おりゃあぁぁっっ!!(殴る、蹴るを続ける)おらああぁぁあぁっっ!!(美幸を蹴り飛ばし踏みつける。)」
美幸「きゃあっ……!(床に倒れる)うぅ……ぐすっ……。(権蔵の暴力は日に日に激しくなっている…)あなた、やめて!やめてよ!」
次は、DVシェルターへは行かずに親も知らない遠い所へ向かう事にした。
金は無かったので借金し、ボロボロのアパートで暮らし仕事を始めた。
美幸の仕事はスナックのホステスだ。
DVシェルターへ行かなかったお陰か、権蔵はくだらない事で逮捕されてタケルと二人で暮らす事が出来た。
そして今、借金も返せる目処が付いてきてタケルは高校一年生になった。
美幸の客「いやー美幸ちゃんは綺麗だなあ。とても四十代には思えない!」
美幸「あらやだ、ウフフフ。お上手ですこと!(微笑む美幸)そんな事言ってくれてもお金は安くなりませんよ?(ウインクする美幸)ウフフ、冗談ですよ〜!また来て下さいね〜♪(手を振る美幸)ふぅ……さてと、今日の営業も終わりね」
そして自宅へ帰るとタケルがおり…。
美幸「ただいま、タケル。」
タケル「おかえりなさい。ご飯作ったから食べてね。」
美幸「うん、有難う。学校はどう?」
タケル「楽しいよ。友達も出来たんだ。先輩に沢山声かけて貰えてさ。」
美幸「ふふ、そうなのね。良かったわ。」
そうして美幸とタケルは二人で幸せに暮らしていた時だった。
ある日、夜遅くに帰って来た時、家の前に一人の男が居り、その場で身動きが取れなくなる。」
美幸「……権蔵さん。」
権蔵「美幸……テメェ、偉くなったもんだなぁ……。糞ババアの分際で……!おらっ!!(蹴り飛ばす権蔵)ゴラァァッッ!!オラアッッ!!(殴る、蹴るを繰り返す)オラッッ!」
美幸「きゃあっ……!痛っ……!や、やめて……あなた、正気なのっ……?いやあぁ!やめてぇええっ!きゃああぁぁ!痛いっ!止めてぇっ……(泣き出す美幸)そ、それに殴るだけならまだ許してあげたけど蹴るのは駄目ぇっ……!!イヤァッ……!」
権蔵は何処からか美幸の家を突き留め、待ち伏せしていたのだった……。
美幸とタケルを道連れに自分も死のうと思っている様子であり自分の身体を引き摺り鍵を奪い取りマンションの部屋の侵入を試みる。とにかくタケルだけは助けなければ……。
美幸「た、たすけっ…たすけ……っ……。」
助けを呼ぼうにも恐怖で声が出ない。深夜なのでマンションの廊下で叫んでも起きる人は居るだろうか。
しかし結局助けを求める事も出来ないまま権蔵はマンションへ入り、手足を縛られ猿轡を噛ませられた。
そして権蔵は部屋に入るなりタケルを探し、
権蔵「タケルウウウウウウッッッ!!!!!大人しくしろやああぁああぁ!!(ナイフでタケルを襲う)イヤアッッ!!死ねやああぁあぁあ!死にやがれぇぇっ……!ゴラアアッッ!(殺すつもりで権蔵はナイフを振るう)オラオラッ!オリャアァッ!!!!」
タケル「うわぁぁああ!やめてってばぁ……!(泣き叫ぶタケル)……!!ごめんなさいっ……やめてぇっ……!!ごめんなさいっっ……ううぅううっ……!(涙を流すタケル。)うわああんっ……!(号泣するタケル)ひぐぅっ……ひぐっ……ぐすっ……!きゃああぁぁあんっ!!お母さんぁぁあっっ……!!!!」
タケルは突然現れた父親に捕まり恐怖で泣き叫びながら必死に抵抗していた。
トイレに逃げ込み抵抗するタケルに向かって、ナイフを向ける権蔵に嫌悪感を示さざるを得なかった美幸……。
目の前で自分を慕っていた筈の息子が見ず知らずの男に殺されかけているのだから。美幸は手足を縛られながらも権蔵に体当たりする。
美幸「……ッ!!!(猿轡で話せないが権蔵の背中に体当たりする。)」
権蔵「うおっ……!お前はッ……!糞ババアぁあぁぁ!!(美幸を押し倒す)いてえっ!このやろうっ……!!(ナイフを美幸に向ける)ぎゃああっ……!(美幸は権蔵に爪で顔を引っ搔かれ血を流す。)」
美幸「きゃあああぁぁ!!!(顔が血塗れになる)権蔵さん……やめてぇっ……!!タケルぁあぁっ!うわぁあっっ……!!(号泣する美幸)ぐすぐす……(涙を流す美幸)ひぐっ……ぐすっ、もう許してぇええぇぇええっ!いやあぁぁああぁっっっ!!(泣き叫ぶ美幸)ひぐっ……」
タケル「……っ…やめろおおおおおお!!!!!!!!!」
タケルは母を攻撃する権蔵に攻撃し、逆上した権蔵はタケルを蹴り飛ばし柱に叩きつけてナイフを振りかざしたその時……!!
タケルは傍にあった花瓶で権蔵の頭を強打し……。血飛沫をあげて倒れこむ権蔵は死んでしまった。それから泣きじゃくりながらタケルは警察に電話をしようとするが美幸がそれを止めた。
美幸「駄目!!お母さんがやった事にするから!!タケルは何もしてない!何もしてないよッ!!!」
タケル「お、お母さん……ッ!!そんなっ……!なんでだよ……っ!!!!僕が、僕がやったのに……」
美幸「タケルには未来がある…。それにね、これは流石に正当防衛よ…。大丈夫、お母さんすぐ帰って来るから……。」
そして、権蔵殺害の罪で美幸は警察に出頭し、そのまま警察の取り調べを受ける事に。
殺害動機を問われた美幸は権蔵の事を言われてもハッキリと証言出来るのが何か所あったので最終的には正当防衛が認められ、情状酌量の余地ありと診断された。
今後は弁護士を立てた方がいいとアドバイスされ、結果的に美幸は執行猶予付きの懲役三年を言い渡されたのだった……。
しかし権蔵の遺産や慰謝料でかなりのお金は手に入ったので、それを養育費とタケルへの支援金として使った。
そして権蔵を殺したのは本当に正当防衛だったのかを裁判所は美幸に何度も問い質すも……。
美幸「私は殺意を持って権蔵さんを殺そうとしたのは間違いないんです。でも、もしも違うと証明される事があるのだとしたら……?タケルが青年に成長した姿を私がこの目で見たいです……!
……幼い頃の私の記憶だと……権蔵さんは……タケルの事なんかまるで見えてない感じで私にばかり……その暴力を振るっていました!
そして私は権蔵さんから逃げた…逃げたのに……っ。罪は償います。でも、私は間違った事は…していません…!」
それからタケルは一人で三年間暮らし続け、それから19歳になった。
19歳になったタケルは大学入学を果たす事になりそれからしばらくして美幸は出所した。
…だが、タケルは母親が罪を被ってくれた罪悪感もあり……遂に自分が父親を殺した事を自白してしまった。
タケルは償いとして刑務所暮らしの道を選ぶ事にし、結局大学には行けなかった。
タケルの刑は二年だった。その後、出所した美幸はタケルの住んでいた部屋に住み着き身勝手な母であり続けようと決意する。その自立させる為の道の選択でもあった……。
美幸「タケルぅ?アンタバイト始めたんでしょ?金渡しなさいね?あと、野菜とジュース買ってきなさい?」
タケル「はい母さん。じゃあ行ってきますー。はぁ……っ、大学行きたかったなぁ……(小声で呟くタケル)
でも仕方ないよなぁ……。俺が殺したんだから……。俺みたいな奴が生きてるだけで迷惑かかるから……。」
そして、タケルは25歳になった。
20歳となったタケルはコンビニのバイトで日々をしのいでいたが決して話すのが上手とは思えず客の話に付き合うのも億劫であり、
おどおどしており完全に仕事で悩みを持つ人になってしまっていた……。
だが、母を養うためにも高卒で就職する気力はとても起こらず、思い切ってコンビニの夜勤で掛ける事にしたタケルだったが、遅刻し朝帰りとなる。トラウマになってしまう悪循環に悩む日々……。元優等生の自分が今では上司に悩まされながら窮屈な生活を送る事になるとは当時は思いもしなかっただろう。
美幸も最初は身勝手な母になろうとしたのだが、そんなタケルの様子を見てこれは選択を間違えたかも知れないと思い始める。
だが時すでに遅く、タケルは仕事での苦痛に耐えきれずに自殺してしまった…。親である自分が放任にするのでは無く助けが必要だったのかも知れないと思う美幸だった……。
そしてタケルが居なくなり、どうしようか考えていた所神様が人間の姿で現れる。
美幸「あ、貴方は神様…!?」
神様「どうするかね?タケルくんも死んだしまたやり直すかね?君が生きていても時間を巻き戻す事は出来るんだが。」
美幸「もうタケルを幸せにする自信が無くなってしまいました……私は生きていても必要のない人だと思いますし……。
でも貴方は私にどうして欲しいんですか……?助けが必要だと言ったら助けて下さるんですか?
どうせどう足掻いてもろくな人生じゃありませんし私は世界から離れたいです!これからは何者にもならなくていいんです!」
神様「…本当にそれでいいんですか?貴方はタケルくんを愛していて、幸せにしたいのではなかったのですか?」
美幸「タケルが苦しんで……亡くなりました……。もう別れに悲しい気持ちになりたくない……そんな思いをする位ならば……!
もう私は生きていたくはありませんよッ……だからっ!もういっそ……殺して欲しいんです……。」
神様「タケルくんはこのまま不幸の悪循環の中で苦しみ続けますよ。それでも良いんですか?」
美幸「……そ、それは……。」
美幸は考え込んだ末。
美幸「じゃあ、これが最後です。これが最後のタイムリープにします。」
神様「解りました。では行きましょう。」
そして美幸は再びタイムリープする…。
夫、権蔵にDVされていた時代に。タケルがまだ10歳だった頃に。
権蔵「おらああぁぁぁぁぁぁああ!!!!!(ボコボコに殴る)」
美幸「きゃあああああああっっっ!!!!!貴方っ…やめて…っ…。(私は美幸。夫の権蔵からDVを受けている。)」
権蔵「うぐっっ!(美幸の首を絞める)おらああぁぁあぁ!!(殴る、蹴るを繰り返す)おりゃあぁぁっっ!!(殴る、蹴るを続ける)おらああぁぁあぁ!!(殴る、蹴るを続ける)おりゃあああぁぁあぁっっ!!」
美幸「(苦しいっ……このまま首の骨が折れるのは時間の問題ね……。)ぐうぅ……権蔵さん……許し……て……!(しかし段々意識が無くなって行く美幸)私、死んじゃうぅぅっ……うぅぅうっ……ううぅうぅぅうぅっ……(だが、その時だった。隠し持っていた包丁で権蔵の首を斬る。鮮血が零れる。)」
権蔵「ぐはぁ……ッ!がぁっ……っ……!!(鬼の形相で倒れゆく権蔵)死にまぁぁぁすっ!!うぅぅううぅううっ……!(玄関へ這っていくも脚を切られてしまう権蔵)うぅぅうううっ!!」
美幸「私何度も何度も何度も時間を巻き戻して気づいた。やっぱり諸悪の根源は貴方だって。…だから、貴方を消すわ。権蔵さん。(包丁を権蔵の心臓に刺して殺す。)」
権蔵「……。(絶命)」
タケル「ママ…?」
美幸「(タケルを抱き締め)大丈夫…大丈夫よ…。貴方は幸せになる…必ず幸せになるから…。」
そして美幸はタケルを自分の両親に預け、警察に自首した。美幸は全てを話した。権蔵のDVや虐待を全て話して裁判になったが結果は罪が少し軽くなり懲役二年となった。
その後美幸は罪を償う為刑に服し、一年半で出所をした。そして、ようやくタケルと再会したその数日後……。
美幸の衰弱の経過により危篤の状態となり病院に運び込まれたのだった。
タケル「お母さん!!お母さんッ!!」
美幸「タケル…これから貴方は辛い事、苦しい事が沢山あると思う…。でもね……人生を投げ出してしまおうなんて考えたら駄目……よ?
もし、辛くなって全てを投げ出したくなってしまったら、辛い事が堪えられない位大きくなったら……遠い異国の地に行って幸せを探してみて……?ねぇ……タケル…。」
タケル「ううぅッ……嫌だぁ……!!お母さん……死なないでぇ……お母さん!嫌だよぉ!ううぅっ……うわぁぁぁああん……!!(泣くタケル)死にたくないよっ、お母さん……僕のお母さんはお母さんだけなんだ……!!僕を育ててよっ……!」
美幸「タケル…貴方は私の宝物よ。誰が何と言おうと……貴方は私が心から愛したもう1人だけの血の繋がった大切な家族……。
ねぇ、笑って……タケル……お願い……!(衰弱していく美幸)……そして幸せになるの。約束よ……絶対に破っちゃ駄目……ね……?愛してるわ……。」
そして美幸は息を引き取り、葬式が開かれる。悲しみで涙を流すタケルを慰めるように父方の祖母であるヒタキが寄り添う。
それからタケルは高校を卒業してすぐ外国に飛び出しその地の動物園で働く事となる。
まだ生きていた美幸が書いた自分宛ての手紙と生前身に付けていたピアスやネックレスを身に着けながら……。
タケルが担当する動物はゴリラで名前はアントニー。とても賢く優しいゴリラだった。
タケルはアントニーをまるで息子の様に愛し尽くした。
さらにタケルは趣味で絵を描くのに熱中する。動物園には広場があったので噴水の近くで描くタケルは名作を生み続け様々な人々から称賛を得た。
やがて、その画家としての人生を歩み、人々に愛と喜びをもたらせる人生を歩み始めた。
そんな様子を眺める魂となった美幸。
神様「どうですか?美幸さん。納得いく運命には辿り着けましたか?」
美幸「ええ!これなら大丈夫です……!あの子ならきっと大丈夫……!!本当にあの子に出逢えて良かった……タケルと出逢えて本当に良かった……!!幸せになって欲しいんです……。お願い致します神様!!どうかタケルを幸せにしてください!!私の最愛のあの子に再び未来を進ませてやって下さいませっ……!おねがいしますっ……!」
神様「ええ、大丈夫。責任を持って彼の未来をサポートします。…ところで、次は貴方の事です。貴方はタイムリープにより見事幸せを勝ち取りました。そのご褒美として貴方は転生先を選ぶ事が出来ます。欲しい才能とか、能力とか、どんな世界に行きたいかと言うのも選べますよ。今は流行りの異世界転生なんかもね。」
美幸「本当ですかっ……!!?え、えーと……でも、私は……(この世で生きるタケルを見やる)やっぱり私はこの動物園で生まれ変わりたいですね。タケルを見守れる様に……(照れるように)えへへぇ……駄目な女ですねぇ。こんな歳にもなって親離れ出来てない。でももう少しだけ……動物園の動物でもいいし、とにかく、動物園に関われる存在になりたいです。」
神様「なるほど。では、貴方の転生先は動物園の近くの少女にしましょう。。強い思いがあれば貴方の願いは叶う筈ですからね。美幸さん……それでは私はこれで……そろそろ貴方はおさらばでしょう。良き人生を歩んでください。永劫ではないけれど、刹那を大事に生きて下さい。さよなら。来世でもその笑顔で沢山の人を幸せにしてあげなさいね。」
美幸「……はいっ。」
それから美幸はエミリーと言う少女に生まれ変わり、5歳になった頃、タケルが働く動物園にやって来た。
そこにはゴリラのアントニーとその世話をするのも慣れた24歳のタケルが居た。
13 12/05(Tue) 12:08:32M
(jpg/497KB) エミリー「……!(はっとなる)タケルだ……!わっ……!すいませーん!お手伝い出来ます!何をしましょうか?私動物園でお仕事したいの!(5歳位の少女になって)……タケルさーん!あたしも動物好きなんです!私もここで働きたい!!」
タケル「あはは、それは将来有望だな!楽しみにしてるよ。」
エミリー「……うんっ!」
それからエミリーは猛勉強し、動物について沢山を学び始めた。タケルはそんな彼女の成長が嬉しかったし、彼女の努力家な所に気高さを感じていくようになる。そんなある夜。寝付けない為少し夜風にあたる事にするタケル。そしてふと、ベンチに目を向けるとそこにはエミリーの姿があった。
エミリー「あ、タケルさん…!?タケルさんって私の家の近所に住んでたんですか!?」
タケル「びっくりした。エミリーちゃん近所に住んでたんだ。俺はここの近くのアパートで暮らしてる。エミリーちゃんこんな時間に外出て大丈夫なのか?危ないぞ。」
エミリー「うん、お父さんにばれたら怒られちゃうからね。お母さんも居るし……でも少し気分転換。タケルさん、ちょっとお話しない?あ、迷惑だったかなぁ……(もじもじ)でも……駄目……?(上目遣い)」
タケル「うーん、少しだけな?それが終わったら送って行くよ。」
エミリー「うんっ。」
それから近所に住んでいる事が解ったタケルとエミリーは交流を重ねていき親しくなっていく。
そしてエミリーは18歳になり、タケルは37になり動物園のチーフとして働いていた。
エミリーは勉強を続け、とうとう高校卒業後動物園の飼育員として就職が決まったのだった。17歳の終わり頃タケルに告白したエミリー。優しく受け止める様にOKするタケル。
近くの公園でキスをする二人。ここまで拗らせ続けてしまうと愛が爆発してしまったようだった。
その後も二人が甘い生活を謳歌している頃、再び神様が現れた…。
神様「……あの、これは一体どういう事ですか?今は確かに貴方達は他人です。しかし、貴方の前世はタケルくんの母でしょう…?」
エミリー「神様も解っていると思います……。私はタケルを愛しているんです……!それが母性愛から異性愛になっただけ!
勿論母だった事実は変わりません。でも……前世からずっと私を見続けているなら、こう言う幸せの形もあると認めて頂きたいんです!」
神様「………っ!もう解りました。解りましたよ!二人幸せになればいいでしょ?……はぁ。(肩を落とし溜息をつく神様)もぅ……じゃぁさっさといきなさいよ……私は知りませんからね……。」
そしてエミリーはタケルに対しての母性も持ちながら、男性として愛してしまう。
……かつての、優しかった頃の権蔵に似ていたのもあったのだろう…。しかし、これから先起こる"宿命"をエミリーは知らない…。
3年後、二人は結婚するが次第にタケルは狂暴な本性を露わにし…
タケル「おらああぁぁぁぁぁぁああ!!!!!(ボコボコに殴る)」
エミリー「きゃあああああああっっっ!!!!!貴方っ…やめて…っ…。(私はエミリー。夫のタケルからDVを受けている。)」
タケル「うぐぅっっ……!(美幸の首を絞める)おらああぁぁあぁ!!(殴る、蹴るを繰り返す)おりゃああぁぁっっ!!(殴る、蹴るを続ける)おらああぁぁあぁ!!(殴る、蹴るを続ける)おりゃああぁぁっっ!!」
14 12/05(Tue) 12:11:54M
(jpg/405KB) エミリー「(これじゃ…権蔵さんと同じじゃない…あの時の繰り返し…っ……!!)んぐぅっっ……!!(涙を流し意識を失うエミリー。はっとするタケルはエミリーを介抱する事に。)ああ、エミリーっ……すまない……!俺、また……なんでだよ……何で俺はこういつも……ああ……くそぉ……!!」
エミリー「(意識を取り戻し)…タケル…ねえ、駄目よ。お父さんと同じ道を歩んじゃ駄目。」
タケル「えっ…!?なんで父さんの事を……。」
エミリー「貴方が、権蔵さんの様な道を歩むのが嫌なら、弱い自分と向き合いなさい…。貴方には私がいる……また悲しい事を思い出すんじゃないわよ!んっ!(タケルを抱き締める)私と一緒に二人で解決しましょう。ね?いい?約束したわよ。この言葉よ、今言わなきゃ貴方が辛くなるから、これは親心としての約束よ?」
タケル「あ……ありがとうエミリー。こんな俺と……結婚してくれて……そして、こんな俺を愛してくれて、本当にありがとう……俺は君には勝てないよ……一生敵う気がしないなぁ……でも、いつか母さんを超える位の親になるよ!(決意し涙する)もう迷わない!!ありがとう……」
それからタケルとエミリーは幸せな結婚生活を送る。
豪快で実直な夫と優しく家庭を盛り上げる妻。少し野蛮な所は似たけれど二人は幸せに暮らした。
それ以来、エミリーにあった前世である美幸の記憶は薄れていき、エミリーとしての自己を確立する。
その様子を天界から見ていた神様は…。
神様「やれやれ、これで宜しいのでしょうか。
美幸さん、もっといいルートがあったのですよ?
まあ、魂が変質してしまってはこの遊びも終わりです。
私も仕事に戻るかな〜。」
気まぐれで気に入った魂にやり直しを繰り返させていた神様はそう言っててんの向こうへと消えていったのだった。